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【レビュー】Edifier M60|デスクの空気を、ひとつ密度上げて整える。

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Edifier M60 のイメージ写真

デスクの上に小さなスピーカーを置くだけで、作業時間の質感が変わることがあります。Edifier M60 は、毎日のリモートワークと夜の映画時間の両方で、空間の密度を一段上げてくれた道具でした。3 ヶ月使い続けた今、はじめてのデスクトップスピーカーとして選んだことに迷いはありません。

この記事では、ハイレゾ対応の USB-C と LDAC ワイヤレスを併せ持ち、なおかつコンパクトな設計が、暮らしの中でどんな違いを生んだかを書き残しておきます。スペックだけでは伝わらない、デスクで音を鳴らす日々の手触りを共有できれば。

ハイレゾ対応の小さなデスクスピーカーが欲しい。手の届く価格と音質のバランスが取れたものを探している。そう感じている方に届けたい内容です。

目次

この道具について

Edifier M60 は、66W RMS の出力を持つコンパクトなアクティブスピーカーです。VGP2025 をはじめとする複数のオーディオ賞を受賞し、Amazon のデスクトップスピーカーカテゴリでも長く売れ筋上位に並び続けています。アンプを内蔵し、USB-C のデジタル入力と Bluetooth 5.3 の LDAC、3.5mm AUX を備えるオールインワンな設計が特徴です。

ざっくり仕様

項目 仕様
総出力 66W RMS(Texas Instruments 製 D 級アンプ)
ドライバー 3 インチアルミミッドバス、27mm シルクドームツイーター
音源対応 24bit/96kHz Hi-Res Audio
入力 USB-C / Bluetooth 5.3(LDAC 対応)/ 3.5mm AUX
付属品 15 度角の専用アルミスタンド、USB-C ケーブル
カラー グレージュ、ブラック

外観の佇まい

M60 は片手で持てる小ささに、密度のある質感を備えています。前面のメッシュグリルは細かい網目で光を吸い込み、デスクライトの下でも目立ちすぎない静かな存在感。サイドのアルミ素材は触れたときに冷たさが残り、樹脂筐体のスピーカーとは明らかに違う重みを伝えてきます。

Edifier M60 の背面、ポートと電源コネクタの配置

背面には電源、USB-C、3.5mm AUX が縦に並びます。ケーブルをデスクの裏側に逃しやすいレイアウトで、配線を視界から消したい人にとっては地味に効くポイントでした。

Edifier M60 の背面(拡大)

付属の 15 度角アルミスタンドに乗せると、ツイーターがちょうど耳の高さに向きます。デスクへの反射音が減り、机に座ったときに耳元へ直接届く感覚が変わりました。同梱品の中で、もっとも音の質を変えてくれた要素でした。

Edifier M60 とアルミスタンドの側面

暮らしの中で使ってみて

スペックだけ見ていてもピンとこないので、3 ヶ月のあいだに M60 が暮らしのどこに馴染んでいったかを書き残します。朝、夜、休日、それぞれで違う表情を見せてくれる道具でした。

朝、作業を始めるための音

リモートワーク中の BGM として毎朝使っています。コーヒーを淹れ、Chillhop の落ち着いたトラックを流しながらメールに目を通す。30% 出力ほどの控えめな音量でも、6 畳の部屋全体に音が満ち、耳に張りつかないやわらかさが続きます。集中したい時間を邪魔しない、それでいて部屋に「音が在る」状態を作ってくれる量感が、はじめの 1 時間を整えてくれました。

夜、空間が静かに広がる時間

夜は照明を落とし、Lo-Fi や女性ボーカルもののジャズに切り替えます。27mm のシルクドームツイーターから出る高音はキンキンせず、ボーカルの輪郭をやわらかく描きます。3 インチのアルミミッドバスはコンパクト機にしては低音の量感があり、映画の効果音でもデスクトップらしからぬ厚みが返ってきました。Macbook の内蔵スピーカーとは明らかに違う空気の動き方がそこにあります。

Edifier M60 のタッチパネル

タッチパネルが導く、迷いのない操作

右側のスピーカー上面には、近づけるとふっと光るタッチパネルがあります。手をかざすと LED が浮かび上がり、暗い部屋でも音量の上下や曲送りに迷いません。使っていないときは消灯するので、机の上で点滅して気を散らすこともない。物理ボタンを廃した代わりに、暮らしの中で目障りにならない設計を取ったのだと使ううちに分かりました。

タッチパネルは右側(プライマリー側)にだけ配置されています。左手主体で操作する暮らしの場合は、外付けのリモコンや Bluetooth リモートを検討すると気持ちよく付き合えそうです。

LDAC ワイヤレスの解像感

iPhone 16 から AirPlay こそ使えないものの、Bluetooth 5.3 で LDAC コーデックに対応した Android や DAP からの無線再生では、有線時に近い情報量を保ったまま音楽が流れます。机から少し離れた本棚の前で iPhone を充電したまま音楽を流しても、低音の量と高音のディテールがほとんど落ちません。USB-C と LDAC が同居しているこのスピーカーは、有線と無線を気分で切り替えられる柔軟さを持っています。

3 ヶ月使って残った印象

3 ヶ月のあいだに、デスクで音楽を聴く時間そのものが増えました。これまで Bluetooth スピーカーや内蔵スピーカーで済ませていた人にとって、M60 は「もう少し音に向き合いたい」という気持ちを呼び起こす道具です。派手な機能で驚かせるのではなく、毎日の音の質をやさしく底上げしてくれる。そういう存在感だと感じています。

良いところ・気になるところ

良いところ

  • 同価格帯のデスクトップスピーカーと比べても、66W RMS とハイレゾ対応の両立は珍しい。手元の予算で得られる密度として満足度が高い
  • USB-C と Bluetooth 5.3 LDAC の二系統で、有線/無線を気分で切り替えやすい
  • 付属 15 度角アルミスタンドが耳の高さに向き、デスクの反射音を抑えて空間が静かに広がる
  • タッチパネル + LED の操作感が、暗い部屋でも迷いを与えない
  • D 級アンプとシルクドームの組み合わせで高音がやわらかく、長時間でも疲れにくい

気になるところ

  • タッチパネルが右側ユニットのみ。左手中心の操作スタイルとはやや距離がある
  • 音量の段階を視覚的に把握できないので、深夜の微調整で「いま何割か」を覚える慣れが必要
  • 専用アプリの Bluetooth 接続状態表示が時折ずれる。実用上は問題ないが気になる人は気になる

似た道具との比較

M60 を選ぶときに迷いがちな同価格帯のデスクトップスピーカーを並べました。実勢価格は時期で動くため、購入前に最新の動きを確認してください。

機種 出力 ハイレゾ 操作系 佇まいの方向
Edifier M60(本機) 66W RMS USB-C 24bit/96kHz、LDAC タッチパネル + LED 静かに馴染む、長く付き合える
Creative Pebble Pro 20W RMS USB-C 24bit/96kHz 本体ノブ + アプリ カジュアル、明るいデスクに合う
Audioengine A1 30W RMS USB-DAC なし、Bluetooth aptX HD 本体ノブ 木質筐体、温かく濃い音
JBL Pebbles 後継世代 8W RMS 級 USB-A 16bit/48kHz 本体ボリューム 軽量、サブとして気軽

この価格帯でハイレゾ入力(USB-C 24bit/96kHz)と高出力(66W RMS)の両方を備える機種は多くありません。Pebble Pro は M60 より手頃な価格で明るく軽快な印象がある一方、量感では M60 が一段上に感じます。A1 は温かい音作りが素晴らしいものの、USB-DAC を内蔵しない構成では運用が少し複雑になる。M60 はワンセットで完結する設計が、暮らしに馴染ませやすい選択だと判断した理由になりました。

こんな人に届けたい

  • 在宅時間が長く、作業中の BGM の質が暮らしに直結する人
  • デスクの上の道具をひとつにまとめたく、USB-C と無線の両方で運用したい人
  • はじめてのデスクトップスピーカーで、ハイレゾの世界を試してみたい人
  • Macbook や iPad、Android スマホなど複数機器から音を出すワークフローの人
  • 派手さよりも、長期間付き合える静かな存在感を選びたい人

逆に、フィジカルなボリュームダイヤルでの操作感を好む方や、左手中心の操作環境で日々作業する方には、別のモデルを検討する余地が残ります。タッチパネルの右側配置は、慣れの方向性に少し癖があるのが正直なところです。

よくある疑問

Q. 6 畳ほどの部屋でも音量は十分ですか?

自分の部屋は 6 畳ほどですが、30% 出力でも生活音より優位に音楽が鳴ります。夜は 10% 以下でも十分にメロディが届くので、隣室への配慮が必要な環境でも扱いやすかったです。出力の上限まで上げたのは、映画の盛り上がりを試した一度だけで、普段は半分以下で運用しています。

Q. iPhone でも使えますか?

Bluetooth で iPhone 16 と接続して使っています。コーデックは SBC か AAC になるので LDAC のような解像感までは出ませんが、作業中の BGM としては不足を感じませんでした。ハイレゾの密度を引き出したい時は Macbook を USB-C で繋ぎ直して、iPhone は普段使いに割り切っています。

Q. デスクへの設置で気をつけた方が良い点はありますか?

付属の 15 度角スタンドは外さずに使った方が良いと感じました。スタンド無しで平置きにしてみたところ、ツイーターが下を向いてしまい、聞こえ方が一段こもります。左右のスピーカー間にモニターアームの土台を置いた時も音場が狭くなったので、いまは中央に余白を確保した配置に落ち着いています。

Q. 同じ価格帯で他に検討した機種はありますか?

Creative Pebble Pro と Audioengine A1 を試聴してから M60 を選びました。Pebble Pro は持った時の軽さからカジュアル寄りに感じ、A1 は USB-DAC を別に用意するワークフローが自分の暮らしには合いませんでした。M60 はワンセットで USB-C と LDAC まで完結する構成が、デスクに置く道具として一番馴染みそうだと判断したのが選んだ理由です。

まとめ ── 日常を、少しだけ整える

3 ヶ月使ったあとに残ったのは、「デスクで音楽を聴く時間が増えた」というシンプルな変化でした。スペックの数字だけを見れば、もっと大きな出力のスピーカーも、もっと厚い低音を出すモデルも存在します。それでも M60 を毎日選んでしまうのは、コンパクトな佇まいと、静かに広がる音の質感が、作業中の集中も夜の余白も損なわないからだと思います。

音は空間に温度を与える道具です。M60 は派手な印象を残すスピーカーではなく、暮らしの背景としてゆっくり馴染んでくる長く付き合える道具でした。デスクの上にちょうどいい音を置きたい方に、まず触れてみる一台として届けたいです。

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