毎日連れていけるヘッドホンを探していました。長時間連続で鳴ってくれて、充電の心配が少なくて、見た目もカジュアル過ぎず、それでいて音にも気を遣える一台。Marshall Major IV はこの条件を 2 年間ずっと満たし続けてくれたヘッドホンでした。2024 年に Major V が登場した今でも、私の主力はまだ IV のままです。新型に乗り換えない理由を、2 年使い続けた愛用ポイントとして書き残しておきます。
この記事では、通勤・在宅・夜の音楽鑑賞のそれぞれで IV がどう振る舞ったか、Major V との比較で見えてきた違い、長期使用で見えてきた弱点と対策まで、毎日連れていく道具としての全貌をまとめます。新しい愛用機を探している方の判断材料になれば。
毎日連れていけるヘッドホンが欲しい。充電の心配なく長時間使えて、見た目もカジュアル過ぎないものを探している。そう感じている方に届けたい内容です。
この道具について
Marshall Major IV は、80 時間以上のバッテリー駆動と Qi ワイヤレス充電に対応したオンイヤー型ヘッドホンです。2020 年発売、165g の軽量設計、レザー調仕上げのレトロデザインと、起動時のギターリフが特徴。Major V が後継として登場した今も、長く愛用されている定番モデルです。
ざっくり仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| ドライバー | 40mm ダイナミック |
| 再生時間 | 最大 80+ 時間(ワイヤレス)、15 分充電で 15 時間再生 |
| 充電方式 | USB-C / Qi ワイヤレス(デュアル対応) |
| コーデック | SBC(Bluetooth 5.0) |
| 有線接続 | 3.5mm AUX |
| 重量 | 約 165g |
| 操作 | マルチコントロールノブ(上下左右 + 押し込み) |
| 付属品 | USB-C ケーブル、3.5mm AUX ケーブル |
外観の佇まい
マットブラックのレザー調仕上げと、真鍮風のロゴプレート、ブロンズ調のヒンジ部分。Marshall アンプを思わせるクラシカルな配色が、ガジェット然としたヘッドホンから距離を置いてくれます。出先のカフェでも違和感なく装着できて、コーデの一部としても自然に収まる質感でした。

折りたたみヒンジでコンパクトに畳めて、165g というオンイヤー型ならではの軽さも相まって、バッグの中で場所を取りません。ヘッドバンド内側のロゴクッションも立体的で、収納時に型崩れしにくい構造です。


暮らしの中で使ってみて
2 年間、毎日のように IV を身につけてきた中で見えてきた振る舞いを、シーンごとに書き出しておきます。「派手な機能はないけれど、毎日連れていける」というのが、長く付き合った結論です。
通勤、80 時間バッテリーが解放してくれる充電習慣
週 4 日の電車移動で IV を使い始めて気づいたのは、「充電を忘れる不安」が消えることのありがたさでした。1 週間半〜2 週間に 1 度の充電で十分動いてくれるので、出かける前に充電状況を確認する習慣そのものがなくなりました。15 分の急速充電で 15 時間再生というスペックも実用的で、万が一の時にコンセントに 15 分挿すだけで救えます。
在宅、Qi スタンドに置くだけの充電動線
私のデスクには UGREEN の Qi 充電スタンドが常設してあって、IV を使い終わるたびにポンと置くだけで自動的に満タンに戻ります。これだけで「ミーティング 5 分前に充電ゼロだ!」という事故が完全に消えました。USB-C も併用できるので、急ぎの時は有線でデスクトップに繋ぎながら使えます。
夜のチル、Marshall らしいミッドが効くシティポップ
IV の音は「ミッド寄り」と表現されるとおり、ボーカルとギターがぐっと前に出るチューニングです。シティポップやインディーロックを聴くと特に気持ちよく、夜のリラックスタイムのお供にぴったりでした。低域はタイトで量感は控えめなので、EDM やヒップホップを爆音で楽しみたいタイプの人には物足りないかもしれませんが、ライトリスニング中心の私には聞き疲れにくい仕上がりでした。
マルチコントロールノブの、ポケットの中での操作
右ハウジング後方にある真鍮風のノブは、上下左右と押し込みの 5 方向で音量・曲送り・再生停止を完結させます。ポケットの中でスマホを探すことなく、ノブだけで全操作できる物理感は意外と便利。冬場のグローブをはめたまま操作できたシーンで「物理ボタン最強じゃないか」と思った日も何度かありました。
良いところ・気になるところ
良いところ
- 80 時間以上のバッテリーで充電習慣から解放される
- Qi ワイヤレス充電と USB-C の両対応、デスクに常設しやすい
- マルチコントロールノブの物理操作で、グローブ越しでも扱える
- 165g + 折りたたみヒンジで毎日持ち歩きやすい
- レザー調の佇まいが、ガジェット然としすぎず装いに馴染む
気になるところ
- イヤーパッドが消耗品で、純正交換用が手に入りにくい(サードパーティカバーで延命)
- Bluetooth 5.0 + SBC のみ、aptX HD や LDAC のような高ビットレートコーデック非対応
- ANC や外音取り込みは非搭載、電車内では音量で補う必要がある
似た道具との比較
IV を選ぶときに検討した同価格帯のオンイヤー・ポータブルヘッドホンを並べました。実勢価格は時期で動くため、購入前に確認してください。
| 機種 | バッテリー | 充電 | コーデック | 性格 |
|---|---|---|---|---|
| Marshall Major IV(本機) | 80+ 時間 | USB-C + Qi | BT 5.0 SBC | 定番、レトロ装い、毎日連れていく相棒 |
| Marshall Major V(後継) | 100 時間 | USB-C + Qi | BT 5.3 LE Audio 対応予定 | IV の正常進化、価格はやや上 |
| Sony WH-CH520 | 50 時間 | USB-C | BT 5.2 SBC/AAC | 軽量・低価格、AAC 対応 |
| JBL Tune 770NC | 70 時間(ANC ON 44 時間) | USB-C | BT 5.3 SBC/AAC | ANC 搭載、JBL らしい中低音 |
バッテリー単独で見ると Major V がやや上ですが、IV から 20 時間増えても私の使い方では実用差を感じにくい範囲でした。Sony WH-CH520 や JBL Tune 770NC はもっと手頃な価格帯ですが、Marshall のレザー調デザインとミッド寄りサウンドが好きな人には別ジャンルの選択肢に感じます。IV は「使い切る前提で選んだら、案外まだ使い切れていない」というポジションにいます。
こんな人に届けたい
- クラシカルな Marshall ルックのオンイヤー型ヘッドホンを探している人
- 長時間バッテリーと Qi 充電で、充電習慣の負担を減らしたい人
- ライトリスニング中心で、ミッド寄りの音作りが好きな人
- 毎日持ち歩く前提で、165g 級の軽さを重視する人
- 物理操作系のシンプルな UI を好む人
逆に、ANC や外音取り込みのような最新機能が必須の方、aptX HD や LDAC のような高ビットレートコーデックを求める方には、別ジャンルの最新モデルの方が向いている場面もあります。IV は「枯れた完成度の高さ」を選ぶタイプのヘッドホンでした。
よくある疑問
Q. 通話品質はどうですか?
私は週に数回、IV で在宅会議に参加していますが、相手から「聞こえづらい」と言われたことは一度もありません。マイク性能は最新の専用ヘッドセットには劣るものの、自宅環境でのビデオ会議や、駅のホームで電話を取る程度なら問題なく使えます。風切り音の多い屋外で長時間の通話となると、別途専用デバイスを用意した方が確実だと思います。
Q. 電車内で ANC なしは厳しくないですか?
通勤電車での使用感は、人によって評価が分かれる部分です。私はオンイヤーのパッシブ遮音と適度な音量で対応していて、特急電車やこもった車内なら問題なく聴けています。地下鉄の風切り音が大きい区間では、音量を一段上げて凌ぐ運用にしています。ANC が絶対必要な使い方なら、別のジャンルが正解だと思います。
Q. イヤーパッドが消耗したらどうしましたか?
2 年使った時点でイヤーパッド表面のレザー調素材に細かいヒビが出始めたので、Comply の伸縮カバーをかぶせて延命運用に切り替えました。純正パッドの単体販売はあまり見つけられず、Comply 一択に近い状態です。汚れた時にカバーだけ洗えるのも衛生的で、結果的にはこの運用が長持ちに繋がっています。
Q. Major V に乗り換える価値はありますか?
私の使い方では、まだ IV で困っていないので乗り換えを保留しています。Major V のバッテリー 100 時間や Bluetooth 5.3 の安定性は確かに進化していますが、IV のバッテリーがまだ十分元気で、Qi スタンドの運用も完成しているので、現時点の差分が「乗り換えるほどではない」というのが正直な感想です。IV のバッテリーが劣化してきたら、その時に Major V の最新スペックを見て決めるつもりでいます。
まとめ ── 日常を、少しだけ整える
Major IV を 2 年間使い続けてわかったのは、「派手な機能で目を引くタイプではなく、毎日の動作に溶け込むタイプ」のヘッドホンだということでした。デザインの存在感はあるけれど、機能面では飾り気がない。それが結果的に、長く一緒に過ごせる相棒の条件になっていました。
バッテリーの心配がなく、充電が動線に組み込まれていて、装着しても腕時計のように身体の一部になる軽さ。新しい機種に乗り換えるタイミングを探しているわけではなく、ただ毎日連れていける道具として選び続けたいヘッドホンとして、IV を届けたいです。
2 年連れ歩いた結果、IV は私の中で「もう一度買い直してもいい」リストの上位に残っています。最新スペックを追いかけることが目的化しないなら、IV の枯れた完成度は今でも一線級です。Marshall の音作りと、レザー調の佇まいに惹かれた最初の理由が、2 年経っても色褪せていないのが、私にとって何より嬉しい発見でした。新しい愛用機を探している方の、長く使える定番として、自信を持って届けたい一台です。

